歯医者と肺炎

ご無沙汰しております、副院長です!

更新がとてつもなく遅れてしまい、申し訳ありません。気づけば暦の上ではもう冬になってしまいました。私はとにかく寒いのが苦手です。お洒落に気を遣わなくていい世界であれば、北極用のダウンのつなぎで外を歩きたいくらいです。

寒いといえば、季節の変わり目の今、風邪で予約をキャンセルされる患者さんが少し増えました。毎年「今年の風邪は長引くなぁ」と言っているような気がしますが、風邪をこじらせて肺炎などにならないようお気をつけ下さい。

というわけで今回は「肺炎」のお話です。

とっても怖い誤嚥性肺炎

「誤嚥性肺炎」という言葉をどこかで耳にしたことあるいは、目にしたことがあるかと思います。厚生労働省によると

「本来気管に入ってはいけない物が気管に入り(誤嚥)、そのために生じた肺炎」

を誤嚥性肺炎と説明しています。

老化や脳血管障害の後遺症などで、飲み込む機能(嚥下機能)や咳で押し返す力が弱まることで、お口の中の細菌などが誤って気管に入りやすくなります。その結果、肺炎を起こしてしまうのですね。

嫌な話ですが、日本人の死因を見てみると、肺炎の順位は平成29年段階で「第5位」となっています。肺炎で亡くなる方はかなり多いのです。そこでさらに注目したいのが、平成29年から、肺炎とは別に誤嚥性肺炎がこの順位に加えられていることです。以前から誤嚥性肺炎の話題は色々なところで度々取り上げられていたのですが、死因に新たな項目として追加されたことから、依然としてホットな話題であることが伺えます。

歯医者さんと誤嚥性肺炎の関係性

全身疾患と口腔内疾患の関係は長い間議論されてきたことではあります。特に、米山先生という、口腔ケアの重要性を説かれているとても有名な先生がいらっしゃるのですが、自身の研究で、老人ホームでの積極的な口腔ケアが肺炎の発症率を低下させることを明らかにしています。

この研究からわかるように、誤嚥性肺炎への対応としては、飲み込む力を鍛えることはもちろん、口腔衛生状態の維持管理、口腔機能向上など歯医者が積極的に関わっていくことが重要だ、という考えがずいぶん広まってきました。

一方で、海外では口腔衛生管理と誤嚥性肺炎の関連は、密接ではないとしているレビューもありますが、これからのさらなる研究が待たれますね!

だいぶ真面目に書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?誤嚥性肺炎は何も高齢者だけの疾患ではありません。誤嚥は食事中や就寝中などいつでも起こりうることですから、なるべく誤嚥が起こらないようにする事とあわせて、なるべく侵入する細菌の量を減らすことが大事です。上で挙げた口腔衛生状態の維持管理というのは、ずばり正しい歯磨きで口の中をきれいに保つことです!若い方こそ!若いうちからしっかりと汚れを落とせる歯磨きの仕方を身につけて欲しいと願います。

このブログを読んで自分のお口の中が気になった方がいれば是非!ご相談いただければと思います。

読んでいただきありがとうございました。副院長でした!