歯磨きを嫌がる子どもへの対策

こんばんは、副院長です。

先日我が子が2歳になりました。もともとハッキリとした子でしたが、さらなる自我の目覚めによって、何でも自分でやりたがる様になったり、自分の気が済むまで手伝わせてくれない様になりました。これがイヤイヤ期…きっと世の中のママ・パパもたくさん困っていることだと思います。

そしてその困りごとの中に「歯磨きを嫌がる」ということもあるのではないでしょうか?

今日は、そんな歯磨きを嫌がる子どもへの対策をご紹介したいと思います。今回は私の体験や私見がほとんどを占めると思いますのでご注意を。

そもそも歯磨きを嫌がる理由

なんでや…なんでそんなに歯磨き嫌がるんや…

⒈痛い

歯磨きのときに意気込みすぎて、力が入って歯茎に強く当たっていませんか?そして、気付きづらいのが「上唇小帯」というヒダに歯ブラシが当たってしまうこと。ここにブラシが当たると痛みを感じてしまいます。画像の丸で囲んだところです。

それと意外と皆さん知らないのが、子供用歯ブラシの毛が割と硬い、ということです。手元にあるならちょっと触ってみてください。結構硬いと思いませんか?硬い歯ブラシでガシガシやったら、大人でも痛いと思います。

⒉怖い

仕上げ磨きの時、とにかく磨くことだけに集中したくて、がっちり押さえつけていませんか?時にはそれも必要かもしれませんが、体を押さえつけられて動かせないというのは結構怖いものです。

想像してみてください。体を固定されてママ・パパが必死の形相で、体をがっちり押さえつけられて口に何か突っ込んできます。声もちょっと大きくなっちゃうかもしれません。怖いですよね。

⒊不快・苦しい

子供にとって歯ブラシの感触というのは、それまであまり馴染みのないものです。慣れないものが口の中に入るのは、やはり気持ちの良いものではありません。

また、虫歯を作りたくない一心で一生懸命磨くことに集中しすぎて、長い時間口を開けっぱなしにさせてしまってはいませんか?子供は唾液の量が多いので、すぐにお口が唾液でいっぱいになって苦しくなってしまいます。大人でも長時間唾液を貯めておくことができない人がいます。子供なら尚更我慢できないですよね。

⒋眠い・機嫌が悪い

これはもうどうしようもないです。眠いとき、機嫌が悪いときは何をやっても火に油。一度歯磨きを頭から切り離しましょう。

どうしたらいいの?実際の歯磨き対策!

とにかく歯磨きの時間を「嫌な時間」ではなく「楽しい時間」と思わせることが鍵です!

歯磨きが痛いなら!

・力加減に注意しましょう。歯ブラシの持ち方をペンを持つ様にすると(ペングリップ)無駄な力がかかりにくくなります。ブラシの硬さにも注意してみてください

注意したいのが、シリコン製の歯ブラシです。歯が生える前に、お口の感覚を養ったり、異物がお口の中に入る感覚に慣れることに使うのには良いのですが、汚れを落とすには向いていません。歯が生え始めたらシリコン製の歯ブラシを歯磨きに使うのはやめておきましょう

・上唇小帯に当たるようなら、人差し指などで保護しながら磨いてあげてください

歯磨きが怖いなら!

・とにかく意気込んで構えすぎないように、ママもパパもリラックスしましょう。緊張は子供に伝わります。ついつい無言で必死に終わらせようとしてしまいますが、笑顔で乗り切りましょう

・お歌を歌いながらや、お口をお掃除する遊びとして、歯磨きをお遊戯のようにやるのも良いです

例)「あ!歯の間にさっき食べたお魚がいるぞ!こっちにはお米がはさまってる!うわーたくさん食べて偉いなあ!」などちょっと大げさに言いながら磨く

※これを我が家では33歳の大柄な髭面が、甲高い声を出しながら実際にやっています!

・子供にママ・パパが楽しそうに歯磨きしている姿を見せて、できれば子供にママ・パパの歯磨きをさせてみましょう。子供に親の歯磨きをやらせてみることで、歯磨きというものを知ってもらいましょう

・子供のお気に入りの場所で磨く

娘のお気に入りの場所はここです

タコのビニールプールの中!

ここに寝転んでの歯磨きがお好き。歯磨き場所の選択肢を出して、子供に選ばせてあげると満足することもあります

※歯磨きをする場所にはくれぐれも気をつけてください!

歯磨き中の事故に関するお話はこちら

不快・苦しいなら!

・顔周りを触る遊びをする

まずはおでこや耳などお口から遠いところから始めて、最終的にお口の中を触ってみます。口の中に異物が入る感覚に慣れてもらいましょう!もちろん清潔な手で、です

・長時間お口を開けっぱなしにさせない

歯磨きに集中しすぎてお口を開けっぱなしにさせると疲れてしまいます。唾液も溜まってきますから、苦しくなってしまいます。長くなりそうならほんの少し休憩時間を作るようにしましょう。また、なるべく手早く終えるよう意識しましょう

眠い・機嫌が悪いときは!

そうじゃない時にやりましょう。肝心なのは歯磨きに対して負の感情を感じさせないことです。子供の機嫌が悪いときはママ・パパも余裕が無くなってしまうでしょうから、そういうときは一旦頭から切り離しましょう。

そのほかの対策は?

・出来たら大げさに褒める

・数を数える

例)「10数えるまで頑張ったら終わるよー」と宣言してその間に終わらせる

そして宣言した数より伸ばさないようにしましょう

・歯磨き前後の流れを教える

例)「ご飯食べて、お風呂入って、歯磨きして、絵本読んで、寝んねだよー」

子供はその時やりたい事をやりたい生き物です。何かをやっている時に他のことを指示されると、自分は今これをやりたいのに!と頑固になってしまいます。なので

「はーい今からこれやりまーす!」

ではなく

「これをこの後やるからねー」

とアナウンスしておくことで、意外とすんなりいくことがあります

・ママ・パパと一緒に歯医者さんに連れて行ってみる

何よりママ・パパが「歯」というものに興味、関心を持つことが重要です。親子でお口の中の状況が似てるよなぁ、と思うことが日常で仕事をしていると感じることがよくあります。ママもパパもしっかりと興味関心を持ってみてください。

もちろん、お子さん自身の診察も出来ます。イヤイヤの理由を一緒に探し、考慮して、対応策を考えていくことが出来ますよ!

おすすめ絵本

最後に歯磨きを題材にした絵本を紹介します

『ノンタン はみがきはーみー』キヨノサチコ作絵 偕成社

我が家はこの絵本でした

「はーみーするよー!しゅこしゅこしゅっしゅ〜(パパの野太い声)」

『はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう!』くぼまちこ作 ありす館

『おやすみ』なかがわりえこ作 グランママ社

寝るまでの流れが描いてあります。絵も可愛いです

それでは、世の中の歯磨きに困っているママ・パパの力に少しでもなれますように。皆川歯科医院でした。

歯の根本、えぐれていませんか?

こんばんは、副院長です。

寒くなってきましたね。私は寒いのが苦手です。しかも体が大きくて燃費が悪いので、すぐエネルギー切れを起こして体が冷えてしまいます。

寒くなってくると

「冷たい風が歯にしみる」

という訴えで来院される方がたまにいらっしゃいます。そしてお口の中を観察してみると、犬歯の根本などがえぐれていることが多いです。これ「くさび状欠損」と言います。クサビを打ち込んだような形に、歯がえぐれているように見えることからこのように言います。

今回はこのくさび状欠損に関してお話ししていこうかと思います。

くさび状欠損とは

くさび状欠損は、主に犬歯やや小臼歯の表側の根本によく現れる歯の磨耗のことで、基本的に虫歯を原因としないもののことを言います。下の絵で矢印で示した部分のことです。

症状

象牙質の露出が伴うと、⒈冷たいものがしみる、⒉歯ブラシをかけると痛いなど、知覚過敏様の症状が現れます。

虫歯ができた場合とよく似た症状を伴うため、実際に虫歯を疑って受診される患者さんが多いです。

原因

⒈硬い歯ブラシで力を入れすぎてゴシゴシ磨きすぎた

⒉荒い研磨剤の入った歯磨き粉を長年使っている。

⒊歯ぎしりやくいしばりなどの癖がある

などが挙げられます。実際にはこれらが単発でくさび状欠損を起こしているとはのものとは考えづらく、複数が組み合わさって起こっていることが多いような気がします。ほかにも例えば酸蝕症なども一緒に見られることがあり、患者さんの生活習慣に関係しているように思えます。

治療方法

大きくえぐれてしまっている場合:欠損部を補うようレジン充填

歯磨きに由来するくさび状欠損の場合:歯磨き時の力を弱める、ブラシを大きく動かさない、研磨剤の入っていない歯磨き粉を使うなどのブラッシング指導

酸蝕症の併発が疑われる場合:食生活指導を行う

歯ぎしりや食いしばりが疑われる場合:寝るとき用のマウスピースを製作

この他、歯髄症状がひどく、日常生活に支障をきたしている場合には、神経の治療を行うことがあります。

くさび状欠損は虫歯を原因としない歯の実質欠損ですが、欠損が大きくなると欠損部に虫歯が併発したり、歯が折れてしまったりすることがありますので、虫歯じゃないからと言って油断せずに、歯医者さんに相談しましょう。

いかがでしたでしょうか?歯磨きの力や噛み合わせの力を注意されたことのある方は要注意です。歯ブラシは鉛筆の様に持ってみると細かい力の調節がやりやすくなるのでオススメですので、今日から実践してみましょう!

ここ、まで読んでいただきありがとうございました。

気をつけて!子供の歯ブラシ事故!

こんにちは、副院長です。

私事ですが、我が子が生まれて今月で1歳と半年になります。ここまで何事もなく育ってくれて本当に何よりです。

そんな我が子ですが、親の願いが通じたのか歯磨きが(多分)好きな子になってくれました。最近では自分で歯ブラシを持ってシャカシャカやってくれます。

我が子の成長が嬉しい反面、気を付けなければならないのが「歯ブラシ事故」です。これ、本当に気を付けています。歯磨き中の事故って意外なほど多いんですよ。この記事を見てくださった方の中にもヒヤッとした経験がある方もいるのではないでしょうか。

今回はその歯磨き事故とその予防策についてお話ししていきます。

歯磨き事故の実態

東京消防庁によると、平成23年から28年にかけて、5歳以下の歯ブラシによる事故で医療機関を受診または救急搬送された事例は337件でした。そのうち61件は入院しています。年齢別に見ると1歳が160件と最も多く、2歳で99件、3歳で44件と続きます。この搬送件数は毎年40件前後で推移していて、減少傾向にありません。

原因と事故直前の状況を見てみると、「転倒」や「ぶつかる」が多く、次いで床より高いところからの「転落」となっています。これを考えると、座らずに歯磨きをすることが子供にとって非常に危険であることがわかります。

歯磨き事故への対策

事故というものに関して、まず第1に考えるべきは発生の「予防」です。予防のために、歯磨きを行う「環境」と「道具」の見直しをしてみましょう。

環境の見直し

  • 必ず保護者が付き添う、見守る
  • ソファーや踏み台の上など不安定な場所は避け、床に座って磨かせる
  • 部屋の整理整頓をする。寝室では布団にも注意
  • ペットや兄弟に注意する

道具の見直し

  • 事故の多い3歳前半までは、事故防止対策を施した歯ブラシを使用する(例.持ち手がリング状になっている、持ち手に喉突き防止の傘が付いている、過剰な力が加わると曲がるようになっている)
  • 子供用歯ブラシと、仕上げ磨き用歯ブラシを使い分ける

成長していくにつれて、子供はなんでも自分でやりたがったり、大人の真似をしたくなるものです。お父さんお母さんが全部やってしまえば安心かもしれませんが、子どもの歯磨きの習慣を身につけさせるためにも、是非やらせてあげましょう。そしてその際には「座ったまま歯磨きしようね」、「歯ブラシをくわえたまま歩かないでね」など優しく語りかけてあげてください。

今回のお話の子供の歯ブラシ事故に関して、東京都ではインターネット上でリーフレット資料を公開しているので、是非読んでみてください。

児童施設などを利用していると、子どもの歯磨きに悩むお母さんお父さんはとても多いように感じます。いろいろ聞きたいことはあるけれど、なかなか時間がとれない!という方がたくさんいるのでしょう。少しでもそういった方々の力になれればと思います。

子どもの歯磨きの悩みは皆川歯科医院まで!

歯の質問に答えますのコーナー

みなさんこんにちは、副院長です。5月に入って本当に暖かくなりましたね!忙しくて長いこと休んでいた筋トレを最近再開しました。多賀城の体育館にランニングで行くのですが、走っただけで筋肉痛になるとは思いませんでした。だいぶ体がなまっているようです。もし多賀城の体育館でベガルタ仙台のタオルマフラーを持ったメガネの長身男性を見かけたらお声がけください!
今回のブログの内容は、皆様からいただいた質問にお答えしていく形を取ろうかと思います。早速いってみましょう。

食後30分以内に歯磨きをしないほうがいいと聞いたのですが…
半分正解と言った感じです。
正しくは「酸性の強い食品を口にした直後は」という前提がつきます。
以前、歯は酸で溶けてしまうといった話をしたかと思います。こういったことから、食後口の中の環境が酸性に傾いた状態では、歯がもろくなっているので、唾液の作用で中性に戻ってから歯を磨きましょう!という話が世間で出てきたのだと思います。しかしこれは一般的な食事には当てはまりづらく、なんなら食事中からどんどん口の中は酸性に傾いていくので、そこからさらに食後30分も虫歯になりやすい状況を放っておく方が良くないかと思われます。
ですので、通常は食後すぐに歯を磨いて問題はありません!

歯ブラシはどのくらいの頻度で交換すれば良いのでしょう?
月に1回を目安にしましょう!
大体1ヶ月もすると、ブラシの毛先が開いてくるかと思います。毛先が開いた歯ブラシは汚れを落とす力が落ちてしまい、磨き残しの原因となってしまいます。また、どれだけ乾燥させても、毛束の根元に雑菌が繁殖してしまうため、衛生面から考えても1ヶ月に一度は歯ブラシを交換するのがオススメです。

歯磨きは1日に何回したらいいのでしょうか?
1日3回が理想です。
でも社会人の方はなかなか昼間の歯磨きが難しいかと思われます。なので、実際は1日2回が現実的かと思われます。なので、1日3回が難しい方は特に寝る前の歯磨きをしっかりと行いましょう!
実は口の中の雑菌は夜寝ている間に最も増殖します。これは、就寝時に唾液の分泌が減少することが原因だと言われています。唾液には自浄作用と抗菌作用があるので、唾液の分泌が減少するとこれが就寝中の雑菌増殖につながるわけですね。
ただ就寝中に唾液分泌が減るのはもうしょうがないので、寝る前の歯磨きを念入りに行なうことで、あらかじめ口の中の菌をしっかり減らしておきましょうということです。

今回は3つの質問にお答えさせていただきました!今回の内容が、皆様の健康の増進に役立つことを願っています。質問はいつでも受け付けておりますので、ホームページ、インスタグラム、Facebookどれでもお待ちしております!
それでは副院長でした!

今日からできる!基本的な歯磨き法!

こんにちは、副院長です。4月に入っても雪が降ったりと、変な天気が続きましたがだんだんと暖かくなってきましたね。往診に使う車のタイヤをスタッドレスから変えていなくて良かったと思いました。
ところで皆さん「歯を守るためには歯磨きをしましょう」なんてもはや当たり前のことになってきましたが、じゃあ実際どう磨いたらいいの?と思いませんでしょうか。自分では注意して磨いてるつもりなのに、歯医者さんに行くと「汚れがたまってます、ちゃんと歯を磨いてください」と言われる。なんて経験がもしかしたらあるのではないでしょうか?絶対的に正しい歯の磨き方というのはありません。歯の生え方や口の中の環境は千差万別、磨く時の癖も考えると、歯の磨き方もその人に合ったものにしていかなくてはいけません。ですが、押さえておくべきポイントというのがあります!今日はその歯磨きにおけるポイントのお話をしていこうかなと思います。

用意するもの
1. 歯ブラシ
2. 鏡
3. 歯磨きのためだけの時間

歯ブラシは当然ですね。ブラシの種類は色々ありますが、毛先が山切りになっているものではなく、フラットなものにしましょう。2番目の鏡。これは洗面台のものでも手鏡でも構いません。自分が見やすい方でどうぞ。そして歯磨きをするためだけの時間をしっかりとりましょう。お風呂に入りながら、テレビを見ながらなどの「ながら磨き」は磨き残しの原因になります!

ポイント
1.順番を決めます
どこから始まってどこで終わるか、必ず磨く順番を決めてください。これだけでも磨き残しが減ります。
2.歯ブラシをペンのように持つ
ペンのように持つと、力加減やブラシの向きなど小手先の細かい調整ができるようになります。
3.ブラシの毛先を歯茎側に軽く向ける

こんな感じです。
汚れは歯と歯茎の境目など隙間や間の部分によくたまります。


4.歯を一本ずつ、細かい横磨きで磨きます
一本につき、10回横磨きします。10回動かしたら隣の歯に移動してまた10回。これを繰り返します。
5.前歯の裏側はブラシを縦にして縦磨き


前歯の裏側だけ縦に磨きます。縦に10回磨いたら隣の歯に移動です。ちなみに前歯というのは、糸切り歯から糸切り歯の6本、上下合わせて12本の歯を言います。
6.これらを鏡を見ながら行なう
ブラシの角度やしっかり当たっているかどうかなど確認しながら磨きます。これがとても大事です。

いかがでしたでしょうか?最初はなかなか慣れないかとは思いますが、しっかりと続けましょう。だんだんコツがつかめてくると思います。今回のブラッシング方法はあくまでも「基本的な動かし方」です。これからさらに患者さんの口腔内の状況を考慮して、個人に合わせたブラッシング方法に仕上げていきます。自分自身でお口の健康を守るためにも、自分に合ったブラッシング方法を知るためにも是非一度歯医者さんを受診してみましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました!副院長でした。
正しい歯磨きを身に付けるなら皆川歯科医院まで!