スポーツ外傷とその対応について

こんにちは、副院長です。

冬至なんぞはとっくに過ぎて、最近やっと日が長くなってきたことを実感できるようになりました。19時になっても少し明るくてセミの鳴き声がうるさくて、エアコンの効いた部屋から出るとムワッとむせ返るような暑さにうんざりする…そんな季節が待ち遠しいです。

ところで今年は待ちに待った東京オリンピックの年ですね!私は応募していたチケットが全部外れました!スポーツへの関心が高まりを見せる一方で、スポーツ中に起きた怪我の話というのはあまり頻繁にメディアに取り上げられません。

今回はそういった「スポーツ外傷」のお話です。

スポーツ外傷の分類

一般的なスポーツ外傷として、

・捻挫、打撲、骨折

・筋肉・靭帯の損傷

・皮膚など体表面の損傷

の他、重症化例では

・頭蓋内や頸部(首)の損傷

があります。さらにそこから口腔内にフォーカスしましょう。

・歯の破折(折れること)、脱臼、脱落(抜け落ちる)

・軟組織、歯周組織の損傷

・顎骨の骨折

が挙げられます。

スポーツ外傷の原因は?

様々ありますが、プレイヤー同士の接触や物体との接触、転倒や過負荷による自傷などあります。

プレイヤーの経験や体格などによって頻度やその重症度に差があるようです。小学生は怪我を避けるスキルが未熟な反面、力がないため、重症化することはあまり多くない傾向にあります。トッププレイヤーはどうでしょう。彼らはとんでもないパワーがぶつかり合うのに、スキルが高いので重症事故も少なくなる傾向にあります。

口腔内の外傷とその緊急対応

歯の外傷

歯の破折、脱臼、脱落といずれも上の前歯に多くみられます。1番前にある部分ですから危険にさらされることが多いです。

  • 歯が破折した:折れたカケラを持って歯科を受診してください。歯の神経が露出した場合は時間が勝負です。
  • 歯が脱落した:抜けた歯の目に見える汚れを水道水で洗い流し、牛乳や生理食塩水、歯牙保存液に浸して受診してください。いずれも無い場合は舌の下に入れてください。この時注意したいのは、洗い過ぎないことです。おそらく抜け落ちた歯の根っこには肉のようなものが付着していますが、これは絶対に取り除かないようにしましょう。
  • 歯が脱臼した:自分で動かしたり整復したりせずに、歯科を受診してください。

軟組織、歯周組織の外傷

損傷の場所に限らず共通することとして出血があります。受傷時にはかなりの出血量にびっくりするかもしれませんが、太い血管を傷つけなければ出血部位の圧迫や時間の経過とともに少なくなってきます。

まずは清潔な布やガーゼなどで傷口を圧迫して止血し、歯科を受診してください。

顎骨の骨折

程度や部位にはよりますが、骨折の多くは治療に手術を要します。通常の歯科では対応が困難な場合がありますので、専門家との対診を行なった上で、救急搬送の判断をします。

いかがでしたでしょうか?歯科領域におけるスポーツ外傷への対応について、興味を持っていただけたでしょうか。

どんなスポーツにも怪我はつきものです。予防策はもちろん、事故が起きてしまったときの対応策をしっかりと身につけて、楽しいスポーツライフを送りましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました!

塩竈市のスポーツ歯科は皆川歯科医院まで