スポーツ外傷とその対応について

スポーツ外傷とその対応について!

こんにちは、副院長です。

冬至なんぞはとっくに過ぎて、最近やっと日が長くなってきたことを実感できるようになりました。19時になっても少し明るくてセミの鳴き声がうるさくて、エアコンの効いた部屋から出るとムワッとむせ返るような暑さにうんざりする…そんな季節が待ち遠しいです。

ところで今年は待ちに待った東京オリンピックの年ですね!私は応募していたチケットが全部外れました!スポーツへの関心が高まりを見せる一方で、スポーツ中に起きた怪我の話というのはあまり頻繁にメディアに取り上げられません。

今回はそういった「スポーツ外傷」のお話です。

スポーツ外傷の分類

一般的なスポーツ外傷として、

・捻挫、打撲、骨折

・筋肉・靭帯の損傷

・皮膚など体表面の損傷

の他、重症化例では

・頭蓋内や頸部(首)の損傷

があります。さらにそこから口腔内にフォーカスしましょう。

・歯の破折(折れること)、脱臼、脱落(抜け落ちる)

・軟組織、歯周組織の損傷

・顎骨の骨折

が挙げられます。

スポーツ外傷の原因は?

様々ありますが、プレイヤー同士の接触や物体との接触、転倒や過負荷による自傷などあります。

プレイヤーの経験や体格などによって頻度やその重症度に差があるようです。小学生は怪我を避けるスキルが未熟な反面、力がないため、重症化することはあまり多くない傾向にあります。トッププレイヤーはどうでしょう。彼らはとんでもないパワーがぶつかり合うのに、スキルが高いので重症事故も少なくなる傾向にあります。

口腔内の外傷とその緊急対応

歯の外傷

歯の破折、脱臼、脱落といずれも上の前歯に多くみられます。1番前にある部分ですから危険にさらされることが多いです。

  • 歯が破折した:折れたカケラを持って歯科を受診してください。歯の神経が露出した場合は時間が勝負です。
  • 歯が脱落した:抜けた歯の目に見える汚れを水道水で洗い流し、牛乳や生理食塩水、歯牙保存液に浸して受診してください。いずれも無い場合は舌の下に入れてください。この時注意したいのは、洗い過ぎないことです。おそらく抜け落ちた歯の根っこには肉のようなものが付着していますが、これは絶対に取り除かないようにしましょう。
  • 歯が脱臼した:自分で動かしたり整復したりせずに、歯科を受診してください。

軟組織、歯周組織の外傷

損傷の場所に限らず共通することとして出血があります。受傷時にはかなりの出血量にびっくりするかもしれませんが、太い血管を傷つけなければ出血部位の圧迫や時間の経過とともに少なくなってきます。

まずは清潔な布やガーゼなどで傷口を圧迫して止血し、歯科を受診してください。

顎骨の骨折

程度や部位にはよりますが、骨折の多くは治療に手術を要します。通常の歯科では対応が困難な場合がありますので、専門家との対診を行なった上で、救急搬送の判断をします。

いかがでしたでしょうか?歯科領域におけるスポーツ外傷への対応について、興味を持っていただけたでしょうか。

どんなスポーツにも怪我はつきものです。予防策はもちろん、事故が起きてしまったときの対応策をしっかりと身につけて、楽しいスポーツライフを送りましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました!

塩竈市のスポーツ歯科は皆川歯科医院まで

食生活にも関係あり?酸蝕症とは?

こんにちは、副院長です。

皆さんが健康を維持するために行なっていることはなんでしょうか?私は睡眠不足になるとすぐに体調を崩すので、なるべく睡眠をしっかりとりたいと考えています。最近は12時を越すと、次の日のコンディションに影響が出るようになりました。

健康のためにお酢を飲んだり、フルーツをたくさん食べたりする方もいらっしゃるでしょうか。もしそういう方がいらしたら、飲食方法に気を付けないといけないかもしれません。その食べ方や飲み方、歯に影響してるかも?

酸が歯を溶かしていく!

「酸蝕症」という言葉を聞いたことありませんでしょうか。酸蝕症とは「酸性の物質が化学的に歯を溶かしていく」ことです。虫歯は虫歯菌が関係しているのに対して、酸蝕症は虫歯菌とは関係なく起こります。つまり、どんなにお口を綺麗に保っても発症してしまう可能性があるのです。

臨界pHといって、これ以上pHが下がる(酸性度が強まる)と歯が溶けますよ、という数値があります。歯の1番表面、エナメル質の臨界pHが5.5です。

酸蝕症の原因

内因性と外因性の2つに分けられます。

内因性…胃食道逆流症、摂食障害による胃酸の持続的な嘔吐

外因性…酸性飲食物の過剰摂取、職業性のもの

こんな感じです。

内因性の場合、原因は胃酸です。胃酸はとても強い酸性(pH1.0〜2.0)物で、これを持続的に吐き出すような状態が続くと歯が溶けていってしまいます。

外因性の場合は、主に酸性飲食物の過剰摂取が多いとされています。例えば健康のためと飲んでいるお酢や乳酸菌飲料、一息頑張りたい時のための栄養ドリンク、熱中症や脱水予防のためのスポーツドリンクなどは強酸性のものが多いです。

pHの低い飲食物

飲みもの…炭酸飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、お酢系飲料、柑橘系ジュース、乳酸菌飲料、ワイン、チューハイ、ビールなど

食べ物…酢の物、柑橘類、りんご、梅干しなど

大体酸味を感じるものは酸性の強いものなんだな、というところでしょうか。

原因がわかったら対応を!

とは言ってもなかなか対応が難しいのが酸蝕症の特徴でもあります。なぜならば、酸蝕症はその人の生活習慣と深いかかわりがあるからです。例えば、健康のために良かれと思って摂取しているものをいきなりやめることなんて、相当意志の強い人でなければ難しい話です。

ではどうすれば良いのでしょうか。その習慣に1つ工夫を加えてみましょう!

酸性飲食物が歯に触れている時間が多ければ多いほど、歯へのダメージは大きくなります。例えば同じ量の飲料を飲むにしても、一気にグイッといくよりも、ちょこちょこチビチビ飲むほうがリスクが上がります。口の中で溜めてから飲むなんてのも良くないです。ストローを使うのも良いですが、先端を唇でくわえるのでは意味がないですので、しっかりと奥に入れましょう。

唾液は酸性度を弱めてくれる作用があるので、お酒を飲むときはおつまみを用意しましょう。噛むことで唾液を増やしてくれます。

酸性の強いものを摂取した後は、よくうがいをして、直後の歯磨きは控えましょう。30分ほどおいてから磨くのが良いです。

酸蝕症になってしまったら!

虫歯と同じで早めの発見、早めの治療が鍵です。歯が大きく溶けてしまうほど治療も大掛かりになります。レジン修復で済む場合もあれば、大きく削って被せないといけないこともありますので、気になったら早めに相談をしましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました、副院長でした!

酸蝕症のご相談は皆川歯科医院まで

歯医者のホワイトニングとセルフホワイトニング、どう違うの?

新年明けましておめでとうございます。副院長です。

オリンピックまでまだまだ遠いなぁと思っていましたが、気づけばもうそこまでですね!時間が経つのが早すぎて訳がわかりません。

ところで皆さん、最近、町中で「セルフホワイトニング」や「ホワイトニングサロン」という言葉を見かけたことはありませんか?値段を見てみると、歯医者でやるようなホワイトニングよりも断然安いですよね。なんでこんなに違うの?セルフでやった方が良いじゃん!って思った方もいるかもしれません。

今回はその違いをお話ししようかなと思います。

ホワイトニングサロンは医療機関ではない

簡単に言うと、ホワイトニングサロンは医療機関ではないです。歯科医師や歯科衛生士といった、国家資格を持つ人が施設内に配置されてなくても良いのです。

歯科医師や歯科衛生士以外の人が患者さんの口腔内を診ることは、日本の法律で禁止されています。そのため、ホワイトニングサロンのスタッフさんは、患者さん(お客さん?)のお口の中に薬剤を塗るなどの行為が出来ません。そのため、ホワイトニングサロンではお客さん自身に施術してもらうという、セルフホワイトニングの方式がとられます。

使う薬剤が違う

歯科医院で使用する薬剤…過酸化水素、過酸化尿素

これらは「医薬品」に分類されるため、これらの薬剤を用いて施術を行なう際には、歯科医師や歯科衛生士である必要があります。過酸化水素って消毒用のオキシドールじゃん、と思うかもしれませんが、歯医者のホワイトニングに使うものは濃度がかなり高く、劇薬指定されています。

ホワイトニングサロンなどで使用する薬剤…ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム

これらは「医薬品添加物」に相当するもので、資格がなくても扱えます。一部のホワイトニング用歯磨き粉にも含まれています。

薬が違うならばその作用も違う

ポリリン酸ナトリウムやメタリン酸ナトリウムは、歯の表面についた外部着色を分解するだけにとどまります。そのため、歯の内側にある色素の分解は出来ないのです。

一方で過酸化水素などを使った歯医者のホワイトニングは、歯の内側の色素も分解していきます。フリーラジカルというものが歯の内側で暴れ回ることで、内側から文字通り漂白していくんですね。

セルフホワイトニング…本来の自身の歯の色を取り戻す

歯医者のホワイトニング…本来の色よりも白くする

こんな認識で良いと思います。

ここまでの説明だと、歯医者でのホワイトニングの方が良いように聞こえますよね。ではそれぞれの方法のメリット、デメリットを挙げてみます。

セルフホワイトニングのメリット

・費用が安い

・作用が緩やかで痛みが出にくい

セルフホワイトニングのデメリット

・有資格者による口腔内の診察がない

・表面の着色しか落とせない

歯医者のホワイトニングのメリット

・事前の診察があるため、ホワイトニングに影響する因子の発見、治療ができる

・本来の歯の色以上に白くできる

歯医者のホワイトニングのデメリット

・痛みが出やすい

・費用が高い

いずれの方法でも効果が出にくい人はいるので、その点は注意しましょう。場合によっては施術自体が出来ないこともあります。

目的に合った方法を選びましょう!

勘違いしないでいただきたいのですが、私自身、セルフホワイトニングが悪いとは思わないという事です。むしろホワイトニングがどういうものか、お手軽に体験する手段としては良いものだと思います。それで目指す白さが手に入ればそれでオッケーだと思いますし、より白い歯を目指したくなれば、歯医者でのホワイトニングを受けることを考えてみても良いかと思います。

ただ、いずれの方法を選ぶにしても、事前にしっかりと歯医者さんに相談するのが良いでしょう。大丈夫です、どっちの方法を選ぶにしてもきちんと相談に乗ってくれるはずです。

ちなみに皆川歯科医院では、ホームホワイトニングを提供していますので、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。副院長でした。

歯医者と肺炎

ご無沙汰しております、副院長です!

更新がとてつもなく遅れてしまい、申し訳ありません。気づけば暦の上ではもう冬になってしまいました。私はとにかく寒いのが苦手です。お洒落に気を遣わなくていい世界であれば、北極用のダウンのつなぎで外を歩きたいくらいです。

寒いといえば、季節の変わり目の今、風邪で予約をキャンセルされる患者さんが少し増えました。毎年「今年の風邪は長引くなぁ」と言っているような気がしますが、風邪をこじらせて肺炎などにならないようお気をつけ下さい。

というわけで今回は「肺炎」のお話です。

とっても怖い誤嚥性肺炎

「誤嚥性肺炎」という言葉をどこかで耳にしたことあるいは、目にしたことがあるかと思います。厚生労働省によると

「本来気管に入ってはいけない物が気管に入り(誤嚥)、そのために生じた肺炎」

を誤嚥性肺炎と説明しています。

老化や脳血管障害の後遺症などで、飲み込む機能(嚥下機能)や咳で押し返す力が弱まることで、お口の中の細菌などが誤って気管に入りやすくなります。その結果、肺炎を起こしてしまうのですね。

嫌な話ですが、日本人の死因を見てみると、肺炎の順位は平成29年段階で「第5位」となっています。肺炎で亡くなる方はかなり多いのです。そこでさらに注目したいのが、平成29年から、肺炎とは別に誤嚥性肺炎がこの順位に加えられていることです。以前から誤嚥性肺炎の話題は色々なところで度々取り上げられていたのですが、死因に新たな項目として追加されたことから、依然としてホットな話題であることが伺えます。

歯医者さんと誤嚥性肺炎の関係性

全身疾患と口腔内疾患の関係は長い間議論されてきたことではあります。特に、米山先生という、口腔ケアの重要性を説かれているとても有名な先生がいらっしゃるのですが、自身の研究で、老人ホームでの積極的な口腔ケアが肺炎の発症率を低下させることを明らかにしています。

この研究からわかるように、誤嚥性肺炎への対応としては、飲み込む力を鍛えることはもちろん、口腔衛生状態の維持管理、口腔機能向上など歯医者が積極的に関わっていくことが重要だ、という考えがずいぶん広まってきました。

一方で、海外では口腔衛生管理と誤嚥性肺炎の関連は、密接ではないとしているレビューもありますが、これからのさらなる研究が待たれますね!

だいぶ真面目に書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?誤嚥性肺炎は何も高齢者だけの疾患ではありません。誤嚥は食事中や就寝中などいつでも起こりうることですから、なるべく誤嚥が起こらないようにする事とあわせて、なるべく侵入する細菌の量を減らすことが大事です。上で挙げた口腔衛生状態の維持管理というのは、ずばり正しい歯磨きで口の中をきれいに保つことです!若い方こそ!若いうちからしっかりと汚れを落とせる歯磨きの仕方を身につけて欲しいと願います。

このブログを読んで自分のお口の中が気になった方がいれば是非!ご相談いただければと思います。

読んでいただきありがとうございました。副院長でした!

大人ならでは!?「根面う蝕」にご注意を!

こんにちは!副院長です。薄ら寒い梅雨があけたら今度は一気に暑くなりましたね!急激な気温の変化に体がついていけなくなりそうなこの頃です。そして最近は気温が暑すぎてもプールに入らないそうですね。なんでも、プールで遊んでいても汗はかいているけれど、水の中では汗をかいていることに気づき辛く、いつのまにか脱水を起こしている、というプールでの熱中症が起こるかららしいです。涼を求めるプールでまさか熱中症になるとは思いませんでした。
ところで皆さんは大人ならではの虫歯「根面う蝕」をご存知ですか?露出してしまった歯の根元部分に発生する虫歯のことを言います。今回はその根面う蝕とその対策についてお話ししていこうと思います。

なんで大人が要注意?
どんなにしっかり歯磨きをしても、寄る年波には勝てません。お口の中にも老化は存在します。その中でも気付きやすい症状の中に「歯茎の下がり」があります。歯茎が下がると歯の第2層目「象牙質」が露出します。

象牙質は「酸」への抵抗力が弱いため、エナメル質に比べて虫歯になりやすいです。
・間食が多い
・甘いものを頻繁に食べる
・毎日晩酌が欠かせない
という人は、歯が酸に晒される時間が長くなり、虫歯のリスクが増大することになります。

根面う蝕チェック
こんな症状ありませんか?
・食べ物がよく挟まるようになった
・歯の根元がしみるようになった
こんな症状が出てきたら歯医者さんに相談してみましょう。

食習慣改善で歯を守りましょう
1. 間食のタイミング見直しましょう!
食事のたびに口腔内は酸性に傾きます。そしてその時間が長く続くほど歯が長時間酸に晒されることになります。1日に細かい間食をちょこちょこ行なうのはやめて、時間を決めて間食を行なうようにしましょう。
2. しっかり噛んで唾液分泌促す
唾液は酸性に傾いた口腔内を中和する役割、汚れを洗い流す役割、歯の石灰化を促す役割があります。顎をよく動かすことで、唾液の分泌が促されるため食事の際はよく噛むことを心がけましょう!
3. 酸性度の高い飲み物は注意
清涼飲料水はもちろん、スポーツ飲料はクエン酸などが含まれていたりなど、酸性度が強いです。また柑橘系ジュースや野菜ジュース、お酢の入った飲料、ワインなども注意が必要です。
4. だらだら飲み、食べをしない
長時間の晩酌も注意しましょう。ビール、ワインなどのアルコール類を飲むときはお水を一緒に飲むようにしましょう。さらに酔っ払って歯磨きをしないで寝てしまわないように!

いかがでしたか?大人の虫歯と身につけておきたい新習慣、参考になりましたでしょうか?今回の内容をおさらいしてみると、日頃の生活習慣が虫歯の予防に大切だということが見えてきます。虫歯や歯周病などは生活習慣病の一つと捉えて良いかもしれませんね!正しい習慣を身につけて健康を守りましょう!ここまで読んでいただきありがとうございました。副院長でした。
虫歯予防は皆川歯科医院まで!

歯ブラシも処方する時代!?その2

こんにちは!副院長です。
今年の夏はなんだか寒そうな予感がしますね!私は夏が大好きなんですが、夏はやっぱりガツンと暑くないと気持ちが上がらないです。流石に東京の暑さにはヤラれてしまいましたが…
前回は歯ブラシの処方する意義と、歯ブラシの各部位の説明を書きました。今回は続きとして、歯ブラシの特徴と、それがどのような方に向いているかをまとめていきたいと思います!

ヘッド部
このヘッド部分で重要なのは大きさです。基本的にはコンパクトなタイプが良いかと思います。

長さ…短め
厚さ…薄め

をオススメします。

大きければそれだけ毛を多く植えられるので清掃効率は上がりますが、狭いところに届きづらくなります。特に厚みがあるブラシだと、奥歯に届きづらくなることがあるので、厚すぎるものは避けた方が無難です。オエっとなりやすい方や妊娠中でつわりのひどい方なども、薄いヘッドだと症状が緩和されるかもしれないのでオススメです。
ただし、手が不自由な方は幅が広く大きめの方が磨きやすいこともあります。


植毛部の形…フラット(平らな)タイプ
硬さ…ふつう
材質…ナイロン、ポリエステル樹脂

をオススメします。
山切りでギザギザしたタイプは、歯に均一に当てづらくなるので扱いが非常に難しいです。
硬さは、よっぽど歯茎が腫れて痛いとかでない限りはふつうで大丈夫です。
材質は上で挙げた他にシリコン、動物の毛がありますが、シリコンは柔らかすぎて汚れを落とすのには使えませんし、動物の毛は乾きにくく不衛生になりがちで、アレルギーの心配もあります。
毛先の形状は、目的によって選ぶのがいいです。大きく分けてラウンド毛とテーパード毛に分けられますが、唾液が少なく、汚れが硬くなりがちな方はラウンド毛。歯周病のリスクが高い方は、細くて歯周ポケットに入りやすいテーパード毛がオススメです。

ネック部
ストレートタイプとカーブタイプがあります。取り回しやすいストレートタイプが基本ですが、力の強い方はカーブの方が力の緩和ができて良いかもしれません。

ハンドル部
患者さんの手に合わせて選ぶのが良いです。

太い…掴みやすく、手が不自由な方、高齢者の方など
細い…手の小さい方、ペングリップで持つ場合など
長い…手の大きな方
短い…手の小さい方

にそれぞれ適しています。

いかがでしたでしょうか?今回は一般的な歯ブラシの特徴をまとめてみました!これを歯ブラシ選びの参考にしていただけたら幸いです。ただあくまでもこのブログの内容はちょっとしたマニュアル程度のものですので、すべてに当てはまるわけではありませんので注意してくださいね!きちんと歯ブラシを処方するには患者さんと向き合うことが重要です。今回の記事でご自身に合う歯ブラシを見つけることができれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!副院長でした。
歯ブラシに関しての質問は皆川歯科医院まで!

歯ブラシも処方する時代!?

こんにちは、副院長です。私の趣味は映画鑑賞なんですが、先日近所で開催される映画を語らう会に参加してきました。趣味と言ってもどちらかというとミーハー気質なニワカタイプなので、ちょっぴり心配でしたがとても楽しめました!
ところで皆さんはどんな歯ブラシを使っていますか?何を基準にして歯ブラシを選んでいるでしょうか?形、材質、大きさ、硬さ…とにかくいろいろ種類がありすぎてどれを選んでいいかわからなくなっていないですか?そんな人のために、歯ブラシ選びのポイントを紹介します!

歯医者さんは歯ブラシを選ぶとき実はこんなにも考えてます
・患者さんの年齢
・虫歯、歯周病のリスクの有無
・歯並び
・全身疾患の有無
・食生活
・歯ブラシの圧
・知覚過敏の有無
・手先の不自由さがあるか
・唾液の量
・プラークの硬さ
・妊娠中か否か
・嘔吐反射の有無

このくらいのことを考慮に入れています。口の中の環境は千差万別。同じ模様は決して見ることのできない万華鏡のようなものです。虫歯になりやすい人がいれば歯石がたまりやすい人もいます。手が小さくて力が弱い人、大きくて力の強い人、何かの後遺症で上手く握れない人…さまざまな要素で歯ブラシの選び方は異なります。
口の中の環境もさまざま、歯ブラシの種類もさまざま。どんなに時間をかけてもブラシが当たっていなければ…どんなに丁寧に磨いてもブラシが届いていなければ…歯ブラシが本人の口の状態に合っていなければ、改善・予防は期待できません!なので、患者さんに合う歯ブラシを見つけるには、やはりこのくらいのことは考慮すべきだと考えます。

歯ブラシを解剖しましょう!
歯ブラシの形状の特徴を把握するために、パーツごとに紹介します。


歯ブラシは大きく分けて

・ハンドル(把持)部…握る部分
・ネック(頸)部…ヘッドとハンドルをつなぐ部分
・ヘッド(頭)部…毛が植わっている部分
・毛…実際に磨く部分

という構造になっています。また、それぞれ
・ハンドル部…太さや長さ
・ネック部…形状や柔らかさ
・ヘッド部…長さ、厚さ、幅
・毛…毛先の形状、素材、硬さ
などが重要となってきます。

ここまで歯ブラシを処方する意義と、歯ブラシの特徴を説明してきました!ここからは更に長くなりそうなので、今回のブログ内容はここまでにしようかと思います。次回は歯ブラシを選ぶ際に押さえておきたい基本的なポイントを紹介していきますので楽しみにしていてください!ここまで読んでいただきありがとうございました、副院長でした。

歯の質問に答えますのコーナー

みなさんこんにちは、副院長です。5月に入って本当に暖かくなりましたね!忙しくて長いこと休んでいた筋トレを最近再開しました。多賀城の体育館にランニングで行くのですが、走っただけで筋肉痛になるとは思いませんでした。だいぶ体がなまっているようです。もし多賀城の体育館でベガルタ仙台のタオルマフラーを持ったメガネの長身男性を見かけたらお声がけください!
今回のブログの内容は、皆様からいただいた質問にお答えしていく形を取ろうかと思います。早速いってみましょう。

食後30分以内に歯磨きをしないほうがいいと聞いたのですが…
半分正解と言った感じです。
正しくは「酸性の強い食品を口にした直後は」という前提がつきます。
以前、歯は酸で溶けてしまうといった話をしたかと思います。こういったことから、食後口の中の環境が酸性に傾いた状態では、歯がもろくなっているので、唾液の作用で中性に戻ってから歯を磨きましょう!という話が世間で出てきたのだと思います。しかしこれは一般的な食事には当てはまりづらく、なんなら食事中からどんどん口の中は酸性に傾いていくので、そこからさらに食後30分も虫歯になりやすい状況を放っておく方が良くないかと思われます。
ですので、通常は食後すぐに歯を磨いて問題はありません!

歯ブラシはどのくらいの頻度で交換すれば良いのでしょう?
月に1回を目安にしましょう!
大体1ヶ月もすると、ブラシの毛先が開いてくるかと思います。毛先が開いた歯ブラシは汚れを落とす力が落ちてしまい、磨き残しの原因となってしまいます。また、どれだけ乾燥させても、毛束の根元に雑菌が繁殖してしまうため、衛生面から考えても1ヶ月に一度は歯ブラシを交換するのがオススメです。

歯磨きは1日に何回したらいいのでしょうか?
1日3回が理想です。
でも社会人の方はなかなか昼間の歯磨きが難しいかと思われます。なので、実際は1日2回が現実的かと思われます。なので、1日3回が難しい方は特に寝る前の歯磨きをしっかりと行いましょう!
実は口の中の雑菌は夜寝ている間に最も増殖します。これは、就寝時に唾液の分泌が減少することが原因だと言われています。唾液には自浄作用と抗菌作用があるので、唾液の分泌が減少するとこれが就寝中の雑菌増殖につながるわけですね。
ただ就寝中に唾液分泌が減るのはもうしょうがないので、寝る前の歯磨きを念入りに行なうことで、あらかじめ口の中の菌をしっかり減らしておきましょうということです。

今回は3つの質問にお答えさせていただきました!今回の内容が、皆様の健康の増進に役立つことを願っています。質問はいつでも受け付けておりますので、ホームページ、インスタグラム、Facebookどれでもお待ちしております!
それでは副院長でした!

今日からできる!基本的な歯磨き法!

こんにちは、副院長です。4月に入っても雪が降ったりと、変な天気が続きましたがだんだんと暖かくなってきましたね。往診に使う車のタイヤをスタッドレスから変えていなくて良かったと思いました。
ところで皆さん「歯を守るためには歯磨きをしましょう」なんてもはや当たり前のことになってきましたが、じゃあ実際どう磨いたらいいの?と思いませんでしょうか。自分では注意して磨いてるつもりなのに、歯医者さんに行くと「汚れがたまってます、ちゃんと歯を磨いてください」と言われる。なんて経験がもしかしたらあるのではないでしょうか?絶対的に正しい歯の磨き方というのはありません。歯の生え方や口の中の環境は千差万別、磨く時の癖も考えると、歯の磨き方もその人に合ったものにしていかなくてはいけません。ですが、押さえておくべきポイントというのがあります!今日はその歯磨きにおけるポイントのお話をしていこうかなと思います。

用意するもの
1. 歯ブラシ
2. 鏡
3. 歯磨きのためだけの時間

歯ブラシは当然ですね。ブラシの種類は色々ありますが、毛先が山切りになっているものではなく、フラットなものにしましょう。2番目の鏡。これは洗面台のものでも手鏡でも構いません。自分が見やすい方でどうぞ。そして歯磨きをするためだけの時間をしっかりとりましょう。お風呂に入りながら、テレビを見ながらなどの「ながら磨き」は磨き残しの原因になります!

ポイント
1.順番を決めます
どこから始まってどこで終わるか、必ず磨く順番を決めてください。これだけでも磨き残しが減ります。
2.歯ブラシをペンのように持つ
ペンのように持つと、力加減やブラシの向きなど小手先の細かい調整ができるようになります。
3.ブラシの毛先を歯茎側に軽く向ける

こんな感じです。
汚れは歯と歯茎の境目など隙間や間の部分によくたまります。


4.歯を一本ずつ、細かい横磨きで磨きます
一本につき、10回横磨きします。10回動かしたら隣の歯に移動してまた10回。これを繰り返します。
5.前歯の裏側はブラシを縦にして縦磨き


前歯の裏側だけ縦に磨きます。縦に10回磨いたら隣の歯に移動です。ちなみに前歯というのは、糸切り歯から糸切り歯の6本、上下合わせて12本の歯を言います。
6.これらを鏡を見ながら行なう
ブラシの角度やしっかり当たっているかどうかなど確認しながら磨きます。これがとても大事です。

いかがでしたでしょうか?最初はなかなか慣れないかとは思いますが、しっかりと続けましょう。だんだんコツがつかめてくると思います。今回のブラッシング方法はあくまでも「基本的な動かし方」です。これからさらに患者さんの口腔内の状況を考慮して、個人に合わせたブラッシング方法に仕上げていきます。自分自身でお口の健康を守るためにも、自分に合ったブラッシング方法を知るためにも是非一度歯医者さんを受診してみましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました!副院長でした。
正しい歯磨きを身に付けるなら皆川歯科医院まで!

口臭のこと

みなさんこんにちは!副院長です。ブログの更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。またしっかりと更新していこうと思います。
今回は、このブログを読んでくれているみなさんの中にも、もしかしたら悩んでいる方がいるかもしれない「口臭」についてのお話です。
口臭は虫歯、歯周病に次ぐ歯科疾患と言われています。古くはなんと紀元前500年頃に口臭治療を行なった記録があり、長い間人々の悩みのタネであったことが分かります。

口臭の分類
一言に口臭と言っても種類があります。それぞれを簡単に説明していきましょう。
1.真性口臭
a.生理的口臭:口臭の原因となる疾患がなく、誰にでもあるにおいです。起床直後や空腹時、緊張時ににおいが強くなる傾向があります。
b.病的口臭:歯周病や虫歯など口腔内に原因の存在する場合と、鼻やのど、呼吸器などの口の中以外の疾患に由来する口臭があります。
2.仮性口臭
患者さん本人は口臭を訴えますが、他の人からするとあまりにおいを認めない場合を言います。検査の結果を提示して問題ない旨を説明すれば、訴えの改善が期待できます。
3.口臭恐怖症
原因の治療をしても、検査結果を説明しても訴えが改善されません。鼻を指でこするなど他人のふとした行動をみて、自分の口が臭いからだと誤解してしまうなど、精神面での要素が大きい状態です。

このように現在、国際分類では口臭は原因別に4種類に分類しています。

口臭の原因は?
VSCという口臭物質があり、これが口臭の原因と言われています。このVSCは硫黄を含む物質で、口の中に無数に存在する細菌から産生されます。
ここで皆さんちょっと鏡で自分の舌を見てみましょう。舌の上に白っぽいような黄色っぽいような苔みたいなものが広がっていませんか?もしくは爪で舌を優しく引っ掻いてみると、粉っぽいようなものが指と爪の間に残りませんか?それは「舌苔」というものです。ちょっとわからないという方は、検索エンジンで舌苔と検索してみましょう。若干ショッキングな画像が出てくるかもしれないので、そういうのが苦手な方は注意してください。

舌苔とは一体?
この舌苔は、剥がれ落ちた口の中の細胞片や細菌、白血球、食べカスなどから構成される、言ってみれば口の中のゴミみたいなものです。歯周病や虫歯があったり、歯磨きが行き届いていない方などに特に多くみられます。そして、先程のVSCの全体の6割程がこの舌苔から生み出されているのです。6割です!つまり、この舌苔をきちんと掃除すれば、口臭の大幅な減少が期待されるということですね!

舌の簡単なお掃除方法
舌は柔らかく傷つきやすいので、舌掃除は力加減と回数に注意して行ないます。
だいたい100gの力で、30回までのブラッシングを1日1回、朝食後歯磨き前に行ないましょう。これ以上やると、舌を傷つけてしまう可能性がありますので、やりすぎは厳禁です。


磨く時には前後にゴシゴシするのではなく、画像の矢印の方向に舌の奥から前にかき出すようにしましょう。この時あまり奥に入れすぎないよう注意してください。使う道具は歯ブラシでもいいのですが、舌ブラシという舌磨き専用の道具があり、こちらのほうが効率がいいです。
また、マウスウォッシュなどはあくまでもブラッシングの補助的に使用するものだと考えてください!

いかがでしたでしょうか?一口に口臭といっても意外と複雑です!1日の中で口臭の強さにも変化がありますし、ストレスや月経の周期にも影響されることが言われています。また、歯周病や虫歯、喫煙者では舌苔の量が多くなると言われているので、歯科治療や生活習慣の改善も必要となってきます。なので、口臭が気になるけどどこへ相談したらいいかわからない!という方は一度歯医者さんへ相談することをお勧めします。
ここまで読んでいただきありがとうございました!副院長でした。
口臭でお悩みの方は皆川歯科医院まで!